2019年5月14日
「辞世の句」
辞世の句と言うのがあります。
人がこの世を去ることを辞世、つまりこの世を辞する、お暇すること。
その時に読む漢詩、和歌などが「辞世の句」です。
「おもしろき こともなく世を おもしろく すみなすものは 心なりけり」高杉晋作
「親思ふ 心にまさる 親心 けふのおとずれ 何ときくらん」 吉田松陰
「曇りなき 心の月を さきたてて 浮世の闇を 照らしてぞ行く」 伊達政宗
「「散りぬべき 時しりてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」 細川ガラシャ
「石川や 浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」 石川五右衛門
ふと思う、長年そのお宅の玄関ドアとして活躍してきたドアを取り換える時、廃棄されるドアの心をしのべば、
そのドアの「辞世の句」があってもよろしいかと。
物は生きていないわけではなく、我々と同じように生きているのだから。南無
長嶌正美